Angling Net / The Grotesque Night

大都バンコクの雑踏をフラフラしながら歩くこと


大自然の真っただ中にいるのも好きだが、こうして大都会の雑踏の中に身を置くのも、ボクは好きだ。人々のエネルギーが、弾け、破れ、吹き出すさまを眺めるのが好きだ。

都会の雑踏からは、人々が喘ぎ、喚き、叫びする声が聞こえてくる。小さな人間たちが、寄せあい、押しあい、犇めきあいする姿が見えてくる。大都会には、人間の刹那が見え隠れする。人間として生まれて、人間として死んでいくことの潔さを体感するのだ。

大都バンコクのカオサン通りの雑踏を、まるで自分の庭のように歩くドズオチアイとミズハシカチヒロ。ボクは迷子にならないように、必死で彼らの後を追うだけだ。

ボクは傍観者になったり、諦観者になったりしながら、大都会の雑踏をフラフラしながら歩いている。愉悦と悲哀を凝縮した大都会。それはまるで、何日もかけて煮込んだ骨肉のスープのように、ネットリとまったりと喉の奥に絡みついてくる。実に面白い。


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