Angling Net / The Grotesque Night![]() 旅の仲間と飯を食ったり酒を飲んだりすること ![]() 登場人物:水橋カチヒロ(堺市在住、39歳) 見かけに寄らず大食漢。見ていても気持ちの良いその食べっぷりは称賛に値する。彼の判断力、分析力、行動力、瞬発力の源も、すべて「食」にあると言える。素晴らしい。 ![]() 旅の楽しみのひとつが「食」である。その土地々々の旨いものを食い尽くしたいと思う。旅を続けるにはエネルギーが必要だ。「食」はその源である。好き嫌いの多い人は気の毒だ。行動範囲を狭くする。ボクなど、生たまご以外は何でも食べる。 時には苦手な味もあるけれど、マイペンライ、マイペンライ。そのうち慣れる。嫌いでなくなる。好きになる。恋しくなる。忘れられなくなる。 ただし、食い合わせの悪いものもあるので注意が必要だ。たとえばドリアンとビール。下手すると命を落とすらしい。タイのホテルではドリアンは持ち込み禁止だ。 ![]() タイ料理といえば、鶏、豚、海老、魚で、牛肉の料理は少ない。カオサンのレストランで、メニューに「牛肉麺」というのがあったので注文してみたら、極めてマズかった。なぜこうも不味いのか‥‥‥と、釣りをしているときに、湖に水浴びをしに来た牛を見て納得。骨と皮と筋だけだ。 トムヤムクン、カオマンガイ、パッタイ、バミーナーム、カオパットムー、ガイヤーン‥‥‥屋台の味に慣れると、群がるハエが気にならなくなる。ニッポンでは考えられないことだ。 腹がふくれ、酒がすすむとだれもが笑顔になる。そして饒舌になる。旅の仲間との食事はことさら楽しい。年齢を越え、生業を越え、もっとも人間らしい人間になれる瞬間だ。 ![]() カンチャナブリの町はずれにある小さな飯屋で、中国系タイ人のおばさんが作る太麺炒めを食べた。 ほうとうをさらに太くしたような平たい麺を、豚、鶏、野菜などといっしょに炒めた一品。モチっとした麺と、カリっとした肉の食感が絶妙だった。ビアチャン(氷たっぷり入り)の肴に最高。素朴な料理だが、忘れられない味のひとつになった。 ![]() スパンブリ県にあるサンダルおやじオススメの飯屋の、手羽先ガイヤーンの串焼き。 皮がカリッ、パリッとしていて、肉がジューシーで、噛むと脂がジュワッとにじみ出る。ニッポンの焼き鳥有名店で出しても決して引けを取らない美味さ。ほどよい塩加減でいくらでも食べられる。1串5B(約15円)。骨までしゃぶりながら、これでビアチャンを5杯は飲める。 ![]() ![]() |