Angling Net / Topwater Bass Fishing





夢のようなひととき

大袈裟ではなく、ここで釣りをしているとき、これ以上の贅沢はないと思った。

こんなに楽しいことを独り占めして‥‥‥
『バチ当たらへんやろか』と。

なにしろ若かったし、釣りに熱かった頃だった。鬼畜のように釣って釣って釣りまくったのを覚えている。

それはもう夢見心地だった。

気がつくとプラグのサイズがどんどん大きくなって‥‥‥。
それでいて一日に何十匹とバスを出す。何の余韻もなく釣りまくっていた。まるで作業のように。

今思えば、楽しみ方としては未熟だった。しかし考えが熟す前にバスがプラグをくわえて走っていたのだから。ゆっくり考えたり余韻にひたる間などなかったのだ。


ほとんど毎週‥‥‥
年中無休で‥‥‥
あらゆるものを犠牲にして
往復4時間の道を通い詰めた

そこには夢のようなひとときが待っていた
至上の歓びがあった


これほど面白い釣りのできる湖沼が、今の日本にあるだろうか