Angling Net / Fly Fishing Today

>゜))))彡  by Yasunori Sakagami  >゜))))彡

■其の参

学生最後の夏休みが終わり、生活の場が下宿先の瀬戸市にもどりましたが、私はフライフィッシングを続けていました。
そのころ、原付「愛車ヤマハ JOG」で移動しつつ、水辺を見つけてはフライロッドを持ち出し、試し釣りをするというのが私の釣りのセオリーでした。
長いロッドをマストのように掲げて移動する様はそこらの小学生の自転車(愛知県で言う「ケッタ」)と変わらない、カッコよいものではありませんでしたが、機動力があることと駐車場の有無にとらわれないのは非常に良いことだと思っていました。

しかし、同じ原付の友人たちを連れて釣りに行った時、RVカーとアルミボートまで持っていた金持ち大学生らしき人々に

「君たち、高校生?」

と聞かれた日には泣けたものでした。

昔から私は不精で、本を読んで研究する事をあまりしない性格です。たとえば、ガイドブックなんて携えて釣りに出かける事は極めて希です。釣り場は大方友人任せか、適当に放浪して探す事が多いです。特に、なんとなく出かけて、穴場を見つけた時の喜びは最高です。

しかし、この反マニュアル人間の性格がフライフィッシングの上達をさまたげてたのかもしれません。たとえば、フライタイイングなんて正規のマテリアルを用意して、お手本通りにタイイングしていいくのが重要なのに、ド素人のころからかなりアドリブの入ったタイイングをしていました。
プラモデルを説明書無しで組み立てて、部品が余ってしまうタイプの人間です。最初はお手本通りの形にしようとするのですが、お金が無かったせいもあり、規定のマテリアルがない事が多く、代用品で強硬に作っていくとだんだん違う形になってしまうのが常でした。それに初期の対象魚がブラックバスである事が多かったせいか、「マッチ・ザ・ハッチ」とは程遠いタイイングでした。初期に巻いたニンフなんてゴミ以下だったような気がします。そんな私がタイイングに踏み切ったいきさつを話します。


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