Angling Net / Fly Fishing Today

>゜))))彡  by Yasunori Sakagami  >゜))))彡

■其の七

この池には先客がありました。堰堤に店(へら用の台、椅子など)を構えていらっしゃるへら師が3人ほどです。へら師にブラックバスがいるのか聞くのも失礼なので、とりあえず、フライロッドを準備して池に降りていきました。もしナマズでもいたらラッキーってな感じです。
へら師を意識して、池の隅の方で、戯れにマラブーストリーマを引いてると、じゃれつくように魚が追いかけてくるではありませんか。2投目、魚に注意してフライをリトリーブしてると、あっさりヒット!。20cmぐらいの小バスが釣れました。

あまりにあっさりです。私の知ってるブラックバスというのは、こんな素直じゃなかったような気がします。しかも同じ場所で数匹釣り上げることができました。すると、一人のへら師のおっさんが声をかけてきます。バスはへら師に嫌われている魚‥‥‥これはまずいかな?と、思っていると

「おまえさん、ブラックを釣るんか?」
「はい、そうですけど。(ブ、ブラック?バスのことか。)」
「ここにはでっかいのがいるでー。向こう岸のへんでこんなの見たことある」 (そういって40cmぐらい手を広げた)
「あのぅ、ヘラブナが食べられちゃうってことありませんか?」

と、おそるおそる聞いてみると、

「はっはっは。ここにもってきた、ヘラはでかいからブラックには食われんよ。それに、雑魚が増えないようにブラックを放してるんじゃ。だから、ブラックを釣っても全然かまわんよ」

と、説明してくれました。どうやら、この池のブラックバスは公認らしいです。うれしいことです。
ただし、そこにいた別のへら師に

「鯉はいないんですか」

と聞いてみたら、

「鯉には竿を折られるから、みんな池から出した」

という答えが返ってきました。あわれ。あいかわらず、釣り師とはわがままなものです。
それでも、こちらは存分にバスフィッシングができそうなので文句は言えませんでした。また、彼らからゴミを落とさないよう、注意も受けました。ここに来ているへら師はみな、釣り場のゴミを回収してるようで、足場はとてもきれいでした。後日、たばこを吸う友達を連れてきたら、へら師に

「釣りしてる間はたばこを吸うな」

と注意されました。山火事を恐れてでしょう。こういうところは最近のバサーは見習うべきだと思います。


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