Angling Net / Fly Fishing Today

>゜))))彡  by Yasunori Sakagami  >゜))))彡

■其の八

さて、私はバスを求めて池の周りを回ります。ここのブラックはよほどスレていないのか、よく水面近くにぷかーんと浮かんで止まっています。そいつらの近くにマラブーテールのストリーマーを投げて、さーっとリトリーブするとたいてい食いついてきます。楽しいことこの上なかったです。
「これがサイトフィッシングか。」と思いました。もちろん、魚も馬鹿ではないですから、人影に感づくと逃げてしまいます。だから、気付かれないように抜き足差し足でフライの射程距離まで距離を詰めて釣るわけです。もし、ブラックに気付かれなければ八割方釣り上げることができました。魚のサイズは小さかったですけど。

今までの疑似餌釣りの経験でこれほど面白い釣り場はありませんでした。後日、幾人かルアーマンにも遭遇しましたが、池が占領されるほど人が訪れることもないし、私のようにしょっちゅう通う人もいなかったため、ここは穴場には違いなかったようです。
あるいは大物がいないようなので、ルアーマンを熱くできなかったのかもしれません。いずれにせよ、地元の釣り場の荒れようを知ってるだけに、お客の少ない釣り場は一つの財産だと思いました。

そうはいっても小さな池なので、ルアー・フライは3人が限度です。それに、へら師が店を構えてると、もっと、釣り場は狭くなっていきます。暇をもてあまし気味だった大学生の私はなるべく人のいない平日などに遊びに行くことにしました。

タイイングの方はというと、いよいよアトラクターに力が入り、いかにしてブラック達の気を引くかがテーマになっていきました。


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