Angling Net / Trout Minnowing
Raytune Field Report
四国の渓で川の宝石を釣る(1/3)
アマゴ 25.0cm
Raytune Minnow 45mm
七月とはいえまだ梅雨の最中、ウェーディングシューズだけで立ち込んでると、深山から滲みだした水の清冽さが足の裏から伝わってくる。久しぶりの渓に、なんや知らん懐かしさを覚える‥‥‥。梅雨の晴れ間、緑に囲まれた山間の渓は、身も心も洗い浄めてくれるような気がする。
先月の末、四国の渓を訪ねたときは大雨やった。バケツをひっくり返したような土砂降り。川は味噌汁色に濁り、結局竿を出すこともなく撤退を余儀なくされてしもた。おっと、竿は出さなんだけど、そのかわり峠のワインディングロードでは、ちゃんと出すもん出したった。ははは、乗り物酔いのプロはタダでは山を下りひんぞ。
海の釣りでは船に酔い、山の釣りでは車に酔う。難儀な釣り人や‥‥‥。そんな私を気遣うて、レイチューン上原は前回とは別メニューを用意してくれてた。
「魚がそこそこ釣れて、峠のクネクネ道なし。おまけに、渓も比較的平坦で、年齢的ハンデキャップを感じない‥‥‥」
それはありがたい。助かる。しかしそんな都合のええ川、ほんまにあるんやろか? それに、渓流のミノーイングなんかまったくド素人の私に、果たして気むずかしいアマゴが釣れるんやろか?
ところが、そんな心配はすぐに吹っ飛んだ。肩慣らしに入った下流のポイントで、いきなりアマゴがヒット。びっくりしてアワセが遅れた分、足元でバレてしもたけど、オーケーオーケー。これならなんとかなりそうや。あとは魚のおるところへミノーを投げさえすればオッケー。
魚の着くポイントは概ね分かってるけど、問題はそこへ軽量ミノーを正確にキャストできるかどうか。いままでこうゆう渓ではもっぱらフライ、あるいはスプーン、スピナーしかやったことがない‥‥‥。
キャストするたびに、後ろから「お、ええとこ入った」「よっしゃナイスキャスト」と、R上原は誉めてくれるけど、私には「こらこら、もう1m奥や」「あかん、もっと左や」と、ゆうてるように聞こえる。
なにしろ、ショートロッドで2グラムもないミノーを投げるのは生まれて始めてで、まるで空気を投げてるような感じ‥‥‥。3ポンドテスト以下でないとダメとゆう理由がようわかる。
アマゴ 24.5cm
Raytune MD 45mm
しばらくして、オーバーヘッドキャストより、サイドハンドかスリークォーター気味にスイングキャストした方が、ライナーで距離が伸びることに気付く。いつもケタバス釣りなんかで、小さなスプーンを投げるときに使う手。あとは左右のコントロール‥‥‥これはなかなか難しい。
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