Angling Net / Trout Fishing
越中五箇山庄川の遅い春 (2/3)
目に入るほど小さな岩魚だが‥‥‥
RayTune "Shougawa Version" 5.5cm Natural
瀞場をみつける‥‥‥水音を立てないように静かに侵入する。水の冷たさをあらためて思い知る。
ミノーを流しながらトゥイッチする。と、岩のえぐれから岩魚は2度ミノーを追ってきた。そのたびにプラグを交換する。あるいは少し時間を置く。渓流魚の学習能力は高い。同じプラグを投げ続けてはいけない。とりわけ早期はそうである。
そして3度目‥‥‥薄茶色の影がミノーを追尾する。次の瞬間、雪代の中でぎらりと反転し、脆弱な重みが竿に加わる。小さい。しかし岩魚である。くねくねと身をよじる感触が伝わる。小さな岩魚はあっさりと岸に寄る‥‥‥ゲームは完結する。
無情の雨が恵みの雨となる
土手にはフキノトウが満開である。こうして自然を愛でるゆとりがある。岩魚を釣ったからである。小さいとはいえ、岩魚は岩魚である。
どんよりとした空からは雨が小止みなく降り続いている。が、心は晴々している。
午後になってもあいかわらず雨が降り続いている。雨合羽をふたつ用意してきたがどちらも内側まで濡れている。体が冷える。
山女‥‥‥
支流のS川出合い付近で、小一時間ねばって小さな山女を一匹釣る。
出発直前に届いた5.5cmの黒金。スリムボディの精悍なミノーである。
これも2度追った後、プラグを交換した直後に食ってきた。
小刻みなトゥイッチングがミノーの性能を最大限に引き出す。昨夏の銅山川での経験が活きている。
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