Angling Net / ikasas ikuy's "talk to myself"



毎日更新(ウソつくな!)

7 nov. 2005 the 5th thailand visit (1/11)

□ leaves for thailand □
休暇を取ってタイへ行く
なにがなんでもというのではないが
できれば
大きなナマズが釣りたい‥‥‥などと目論む

15:05発関空行き阪急リムジンバス‥‥‥客3人

□ by limousine bus □
池波正太郎の「鬼平犯科帳」をパラパラと繰ったり
阪神高速湾岸線の見慣れた風景をぼんやりと眺めたりしつつ
バスは関西国際空港へ向かう

見飽きた天保山の大観覧車‥‥‥

□ in kansai International airport □
JALのカウンターで荷物を預けたあと
何かニッポンらしいものを食べておこう‥‥‥と
あれこれ物色するが
結局「餃子の王将」で餃子と麦酒
どこがニッポンらしいのか
いや
コレも実にニッポン的ではある

18:45発のJLA727便は
予想通り1時間遅れで夜の逢坂を飛んだ


8 nov. 2005 the 5th thailand visit (2/11)

□ donmuang airport arrival □
タイ時間深夜0時
飛行機は無事バンコク・ドンムアン空港に降りた

イミグレーションカウンタの長い列を抜け
なかなか出てこないベルトコンベアの荷物を受け取り
大慌てでヱンをバーツに両替して表へ出る
先行してタイ入りしていたDOZさんと5月以来の再会
いっしょに出迎えてくれたTri-Phop氏の運転で海老焼きレストランへ
2時頃までビアチャンで乾杯を繰り返す
ねっとりとした熱帯の空気が肺に馴染み始める
翌朝仕事のTri-Phop氏と別れ
3時過ぎバンコクセンターホテルで就寝
日本時間で言うともう朝の5時だ

朝靄にかすむ大都バンコク

眠る間もなく夜が明ける
ホテルの朝食ビュッフェ
うまいコーヒーもこれでしばらく飲めない

シゲちゃん登場‥‥‥9ヶ月ぶりの再会だ
車に荷物を積み込んでバラボリへ出発

着くとすぐにバラの丸揚げをオーダー

バラマンディの丸揚げ‥‥‥1匹を3人でむさぼり食う

□ start fishing □
雨が降ったりやんだりするなか
バラマンディフィッシング
6匹かけてすべてバラす
3ラインブレイク
2フックエクスパンド
1ジャンプ&フックオフ
歯はバスと同じで鋭くないが
唇が極めて硬いのである
ストレンの17LBはことごとく擦れて切られてしまった
すごいパワーと強靱なボディだ

DOZさんポップマックスで会心の77cm, 6.2kg

さすがは水面屋だ
トップで3匹も引きずり出す
最後にソリッドグラスにデラシェイカーで同型を出したが
見事にばらす

□ to nakhon sawan □
夕刻
バンコクを出てナコンサワンへ向かう
日付が変わる少し前
懐かしのナコンサワンへたどり着く


9 nov. 2005 the 5th thailand visit (3/11)

□ floats on bueng borapet □
ナコンサワンと言えばブンボラだ
タイナンバーワンの湖と言えば
だれが何と言おうとブンボラなのだ

シゲちゃんのハンヤウでBueng Borapetへ漕ぎ出る

タイナンバーワンの美しい湖なのだが
このところ電流漁が横行し
あっという間に
この広大な湖から魚がいなくなったらしい
プラーシャドーもカスープも釣れなくなったという

たしかに
居そうな場所へタイ式ペラルアーを連射したが
「ウン」とも「スン」とも言わない
ほんの9ヶ月前
あれほど凹凹と水面を沸き立たせてくれた魚が
これほど見事に消え失せてしまうものなのか‥‥‥

日が暮れまで探り続けたが
「ウン」でもなければ
「スン」でもなかった
これまでに何度もこの湖で釣りをしているが
ノーバイトに終わったのはこれが初めてだった

確かなことは
「密漁」「違法(電流)漁」という悪行が
この湖をダメにしているということだ
これは少し前のニッポンの漁業と何ら変わりない
獲れるだけ捕って採って取り尽くすやり方だ
王国である故の流暢さか
取り締まりも実に手ぬるいらしい
思うに
違法行為をやらずとも
この国の人々が暮らしてゆける国策が必要である
しかし
遠来の釣り人にはどうすることもできない
ただただ豊かな自然が復活してくれることを願うばかりである


10 nov. 2005 the 5th thailand visit (4/11)

□ go to bueng oh □
プラーシャドーを求めて
ナコンサワン近郊のブンオーという野池へ行く
「ブン」とはタイ語で「池」を意味する
したがって「ブンオー」は「大池」か

野池と聞いていたが思いのほか大きな池だ
午前中は曇りがちだったが
昼近くには強烈な日差しを浴びる
殺人光線だ
灼熱地獄だ

ナコンサワンで一番乗り心地の良いサンダル丸

本日はサンダルジュニア(ナコンサワン大学一年生)が操船する
狙いは稚魚ボール
例年になく産卵期がずれ込んでいるらしい
まだ真っ赤な稚魚ボールが点在する

しかし
稚魚ボールはまったく反応しない
岸際を撃ちながら流してもみるが
やはり反応がない
まさかこんなところに電流漁師はいないだろうに‥‥‥

岸際に水浴びにきた水牛の群

水牛の目の前にペラルアーを投げる
「もう‥‥‥」
と迷惑そうに移動を始める
ニッポンの野池では考えられない光景だ

こんな長閑な景色を眺めつつ
ゆったりのんびり釣りができるのは最高だ
ただし
殺人光線・灼熱地獄を除けばの話である
昼過ぎ
強烈な暑さにギブアップ


11 nov. 2005 the 5th thailand visit (5/11)

□ aims at kanchanaburi □
夜中の2時半に起きる
サンダル親子をたたき起こす
ナコンサワンからカンチャナブリへ遠征だ
夜道を走ること3時間あまり
東の空が白み始める頃
ようやくカンチャナブリ着
クワイ川鉄橋で有名なカンチャナブリ県である

途中の食料品店で食料と飲み水を買い込む

□ in noribar dam □
去年の夏もここでやったことがある
確かあのときはワンバイトのみだった

そんなことより
このダムの美しさはどうだ
おそらくタイでナンバーワンのロケーションである
たとえ一匹も釣れなくても
この景色は値打ちモノだ

□ fry ball game □
夜明けと同時に釣り始める
本来なら雨期が終わって乾期のはずだが
今年のタイは季節が遅れているらしい
プラーシャドーの産卵も大きくずれ込んでいるようだ
したがって
もう無いはずの稚魚ボールがそこかしこに点在する
しかも生まれたばかりの真っ赤な稚魚だ

シャドーマンDOZオチアイの背中に気迫が漲る

ボクは稚魚ボールの釣りは殆ど経験がないが
DOZさんに言わせると
サンダルオヤジの見切り方は早すぎるらしい
もっと一カ所で粘らねばならないらしい
そういえばサンダルオヤジはわずか数投でポイントを移動する

そして
結果的に水面は爆発しなかった
無情にもただの一度も炸裂しなかった
うむむ
これはサンダルオヤジのせいだ

諦めきれない様子のシャドーマンDOZオチアイ

サンダルはボール釣りのやり方を理解していないとシゲちゃんは言う
ガイドのクセにまったく困ったヤツである

□ reunion is expected □
DOZさんを見送りにダンチャンへ向かう
バスの出発までに昼飯
ビアチャンのグラスを傾けつつ再会を期す

ダンチャンの町で最後の昼餐


DOZさんの無念を載せたバスはバンコクへ向かった

□ try again □
昼からはシゲちゃんが同船した
シゲちゃんの指示で一つのボールを徹底的に攻める作戦だ
30投、40投と、とことん追いつめていく
するとどうだ
レイチューン・ドラグアーマに
「ガツーン」とアタックしてきたではないか
ものすごい衝撃だった
一瞬ブローニングが満月を描いたが
次の瞬間
フッとテンションはほどけた
なるほど
こういう釣りか‥‥‥
初めて稚魚ボール狙いの釣りが理解できた

日暮れ前にもう一度
しつこく攻め続けたブッシュ際で
ペラルアーに「ズバン」と出た
白黒のコーチドッグが跳ね上がるのが見えた
ブローニングが満月を描いたのだが
これもばらしてしまった
結局2バイト2バラシに終わった

プラーシャドーは釣れなかったが
ボクはオッケイだ
シゲちゃんのおかげで
この釣りの面白さがよく理解できた
たとえ釣り上げてもすぐにリリースすれば
親魚はまた稚魚を守るということもわかった
それでも何か喉の奥に物が詰まったような釣りだった

夜道をナコンサワンへ戻る車中
二十年前の琵琶湖で
産卵床を守る親バスを知らずに釣っていたことを思い出していた

□ look at this beautiful scenery □
釣果はどうあれ
この美しい風景には脱帽するしかない


please click the picture


12 nov. 2005 the 5th thailand visit (6/11)

□ fishes in the nan river □
朝起きると
ブンボラ城の女将「ノック」がお粥を作ってくれた
そろそろボクの胃が暑さにやられ始める頃と看て取ったのか
うれしい心遣いだ

タイ米は粥にするとことのほか美味い
粘り気がない分さっぱりして食が進むのだ

さて
タイへ来て6日目である
ボクはまだ一匹も魚を手にしていない

派手めのストリーマー&ウーリーバッガー

そろそろ何か釣りたい‥‥‥
この際サイズは度外視
なんでもいいからまず一匹だ
ナン川のワンドポイントでフライを流す

しかし
川の水位は高く
そして流れは太く早い
決してフライフィッシング向きとは言えない
プラービヤウらしきボイルもあるにはあるのだが
まったく食ってくれない

見かねたシゲちゃんがハンヤウに乗ってやってきた
フライで軽くひと流ししてみようという
ハンヤウに揺られナン川を下る

下流にある支流の合流点へ向かう途中
小魚を補食するプラービヤウを発見
さっそく接近してフライを投じるが‥‥‥流れに負ける
エンジンを止めたハンヤウは一気に下流へ流される
まったく手も足も出ない
ああ
ここはルアーだ
小さなミノーが投げたい‥‥‥
フォルスキャストをしている間にポイントはどんどん遠ざかる

青い空に白い雲、そして赤い川

日々川の水位は下がり
状況は良い方向へ向かっているのだが
まだまだ絶好のコンディションとは言えない
雨期が完全に明け切っていないのが原因らしい

昼過ぎ
そんな状況のナン川を釣りに
バンコクからTri-Phop氏がやってきた
狙いはもちろんプラービヤウだ

午後三時
サンダルオヤジを雇いナン川を下る

楽しそうなTri-Phop氏と迷ガイド・サンダルオヤジ

ハンヤウなら五秒で沈没する流れの中で
サンダル丸は抜群の安定感だ
流れの速い川でも2人デッキに立って釣りができる

ただし
釣り易いから釣れるというものでもない
案の定
何も釣れないまま日が暮れた


□ floating of lanterns □
毎年11月に行われる「灯籠流し」は国民的行事の一つらしい
タイ全土をあげてお祭り騒ぎとなる
川という川、池という池、水路という水路に灯籠を流す
ブンボラ湖畔でも灯籠流しのおまつりがあるというので
夕食がてらみなで繰り出す

ビアシンにプラーカーオにダチョウ‥‥‥

プラーカーオ
しっとりとした白身といい
さっぱりとした脂の乗り具合といい
ブリに酷似する
是非照り焼きにして食べてみたい

今回のボクは
釣りはさっぱりだが胃は好調だ
毎回暑さでダウンしてしまい
後半はいつもコーラと果物しか受け付けなくなる胃が
今回は本当に絶好調なのだ


13 nov. 2005 the 5th thailand visit (7/11)

□ fishes in the nan river 2 □
早朝
夜明けと同時に起き出して釣りに出る

いま上ったばかりの朝日がナン川の水面を赤く染める

前日と同じくサンダル丸でプラービヤウ狙いだ
川は相変わらず水位が高く
そして流れは太く早い

昨夕雰囲気のあった小さな支流の合流点で
それほど大きくない魚が5cmほどの小魚をさかんに突き上げている
プラービヤウではないようだ
さっそくTri-Phop氏が釣り上げる

釣れたのは
プラーペープというウグイのような魚だ
続けてボイルの中に投入したボクのミノーにもヒット
20cmちょいの脆弱な魚だが
釣れればなにも文句はない

タイへ来て一週間目にしてようやく手にした魚

もう少しプラーペープを釣ろうと思ったのだが
突如邪魔者が出現した
老夫婦の漁師だ
当然、遊漁者はポイントを譲らねばならない

カラカラに干からびたお婆さんが櫓を操り
カラカラに干からびたお爺さんが網を打つ

何年連れ添えばこうゆうふうになるのだろう‥‥‥
実に見事なコンビネーションだ

その後
ブンボラへつながる水路で小さなポッパーを投げて遊ぶ
7〜8回水面を割って出たが一匹も乗らなかった
シゲちゃんがプラーケム(淡水ダツ)を一匹釣る
バンコクから泊まりがけで来たTri-Phop氏もペープ一匹に終わる
‥‥‥しかし釣れないなぁ

□ fishes by the earthworm □
夕刻
土手で掘ったミミズを餌にしてイカダでのんびり糸を垂れる
日が暮れまでやったが小アタリが数度あるも釣果なし
ほんとうに釣れないなぁ‥‥‥

一週間で一匹
100匹釣るには2年かかる計算だ‥‥‥


14 nov. 2005 the 5th thailand visit (8/11)

□ recreation □
遅い朝
目が覚めると朝食ができていた

今日も朝から食欲は旺盛
信じられないほど食べられる‥‥‥

さて
朝飯のあとは魚釣り‥‥‥といきたいところだが
今日は気分転換だ
シゲちゃん、ノックさんの三人で"Big-C"へ買い物に行く

ブンボラ城からクルマで15分の"Big-C"
このショッピングモールにはもう何度も来ているが
どう考えても
この空間だけはナコンサワンらしくない

お土産、食料品、音楽CDなどなどを買い込む

□ a big lobster is caught □
昼過ぎ
またもミミズをぶら下げてイカダで糸を垂れる
‥‥‥と
突然、竿が「ガタガタガタ」と揺れる
竿先の鈴が「リンリンリン」と鳴る
ナマズだ!
思い切ってアワセを入れると
「グイグイグイ」と締め込む強い引き
まちがいない
これはナマズだ!
プラーカーオだ!

しかし
釣れ上がってきたのはエビだった
しかも巨大なテナガエビだ
それにしてもよく引くエビだ

伊勢エビにもヒケを取らないランカーサイズのテナガエビ

何年か前に王妃がナコンサワンを訪問した際
記念に20万尾をナン川に放流した生き残りらしい

タイ語で「エビ」は「クン」という
あの有名な世界三大スープ「トムヤムクン」の「クン」だ

さっそくノックさんに料理してもらう

濃厚な海老ミソまできれいにしゃぶり尽くす

ついでに

プラーニン(テラピア)の丸揚げ

さらに

とどめは皮蛋(ピータン=食べてしまうと何か分からなくなるので食べる前に)

タイ料理に合うのはこれだ
ビアチャンだ

まだ外は明るいが
ビール2本でかなり千鳥足だ

□ fang catfish again □
日暮れ前
もしやと思い竿を手にナン川の岸に立つ
千鳥足を引きずりながら
目映い夕焼け空に向かってルアーを投げ続けた
しかし
川は微笑まなかった

牙ナマズはすぐそこにいるのだが食わない
小魚を補食しているのだがルアーを食わない
ああ
ニッポンのナマズなら
イチコロなのになぁ‥‥‥


15 nov. 2005 the 5th thailand visit (9/11)

□ dry fly fishing □
減水期に来たときには
ナン川の岸辺にはプラーモー(キノボリウオ)で溢れていた
それが全く姿を見せないのだ
それでも岸辺には何かしらの小魚の姿がある
いったいどんな魚なのだろう
よしっ
正体を確かめてやろう
3番ロッドに16番のハックルフライで岸辺をたたく

フライをくわえたのはプラーシウという小魚だった

プラーシウ
カーオトム(お粥)のおかずに唐揚げになって出てくる魚だ
この辺りではよく食べられるらしい
小さな体の割に豊かな味わいのある美味しい魚だ

体長10cm=最大級
ニッポンの淡水で言うならさしずめオイカワか

釣れば釣るほどサイズダウンする

体長6cm=最小級

30分やって100バイト6キャッチ
もう少しフックサイズを小さくしてやれば
一日に500尾や1000尾は楽に釣れる

□ oasis on river □
昼からは
イカダで吸い込みをやる
前日しげちゃんが試してみたところ
吸い込みはまったくダメだったらしい
案の定
まったくアタリがない
前回ここで数種類の魚が吸い込みで釣れたことが
まるでウソのようだ‥‥‥

屋根の下は天国だ
ビールやジュース、ドラゴンフルーツなどが出前される
ただし
水道設備はないのでトイレも洗面もすべて川で行う

イカダには屋根があって直射日光を避けられる

□ first catfish □
吸い込み釣りをしつつも
プラービヤウのライズに備えて
スピニングタックルを1本セットしておく
ラインの先にはカウントダウンラパラの5cm
退屈しのぎに投げてみると
「ククン」ときた
「ググン」ではなく「ククン」である
アワセを入れるとロッドチップにかすかな抵抗
やった!
魚だ!

前回はエサ釣りでしか釣れなかったプラーサンガワ(体長15cm)

魚食魚は自分の体長の1/3の大きさの魚までは食うらしい
なるほど
このサンガワは15cmである
5cmラパラにかぶりつくのは実に理に適っている


16 nov. 2005 the 5th thailand visit (10/11)

□ returns to bangkok □
朝早くナコンサワンを出発しバンコクへ向かう
フライトは明日の朝だが
今日は一日バンコクの釣り堀で遊ぶ予定である
まずはバンコク郊外にあるバラボリへ

レイチューン・ドラグアーマで6kgぐらい

釣り堀だから釣れて当たり前だが
スレている池ではまったく釣れない
スレてない池でやるとワンキャストワンヒット

レイチューン・ドラグアーマで6.5kgぐらい

かけてはばらし
ばらしてはかけ

イチューン・ドラグアーマで4.5kgぐらい

飛ぶわ跳ねるわ潜るわ走るわ‥‥‥
いや
実に面白い魚である

チヌークで今回最大魚=8kgぐらい(ブンサムランオーナー測り)

10尾かけて6匹ばらす
それにしてもこのスピードとパワー
頭の中が真っ白になる
いっぺんやったら止められない‥‥‥


休む間もなくブンサムランへ
ここはプラーブック(メコン大ナマズ)が釣れる唯一の釣り堀だ
プラーブックは残念なことにルアーは食わない
食パンの耳を食うのだ
あまり好きな釣りではないが
なにしろ相手はメコン大ナマズである
手段を選んでいる場合ではない
ゲテモノ釣り師として
せめて一匹はメコン大ナマズを釣っておきたいのである

□ mekong large fresh-water catfish □
最初に釣れたのはナマズではなくプラーニン

タイではテラピアの仲間を総じてプラーニンと呼ぶ

3年前に初めてここにきたとき
置き竿にしてビールを飲んでいるスキに
パンの耳をくわえたプラーブックに貸し竿を池の中に引きずり込まれ
罰金3000バーツ取られたのだ
今回は注意深くスプールをフリーにしておく
‥‥‥と
「ジジジジジジ」とクリック音が鳴る
竿を構えて大合わせ
意外と楽に寄ってくるなと思ったら
プラーブックではなくプラーサワイだった

気を取り直して釣り続ける
「ジジジジジジ」
竿を構えて大合わせ
「ブッチン」‥‥‥?
ラインブレイクだ
チヌサスペンド30LBが簡単に切られる
さらに数回切られる
堪りかねてラインを12号ナイロン通しに換える

今度は切られず足元まで寄ってくる
しかし
ここからが大変だ
釣り座の桟橋の下に潜られるのだ
桟橋を支えている柱に巻かれるとジ・エンド
なんとか潜り込まれないようにがんばるが
いかんせん竿が柔らかい
立て続けに桟橋の下に潜らればらす
メーターオーバーはとても止められない
小型でいいから一匹釣りたい

やっと一匹取り込めた‥‥‥と思ったら
サイズアップしたプラーサワイだった

サワイなら手持ちのタックルでじゅうぶん取り込める

プラーサワイのパワーが1とすれば
プラーブックは5〜10
いやそれ以上かもしれない
ケタはずれのパワーだ

とりあえず一匹釣り上げるまで‥‥‥と
夜の9時までやるが
結局9匹ばらしてゲームオーバー
全身筋肉痛になっただけで終わってしまった
またいつの日か
プラーブックを一匹だけ仕留めにここへ戻ってこよう


17 nov. 2005 the 5th thailand visit (11/11)

□ homecoming □


ホテルを出ると
ゆうべから降り続いた雨期の名残雨は上がっていた

11日間
長いようで短い休暇だった
魚はあまり釣れなかったが
楽しかった
のんびりした

9:05発JAL728便は予定通り大阪へ向かって飛んだ

また遊びに行こう


夕刻
ニッポンに戻ってきたボクは
とりあえず寿司屋に飛び込んだ

(完)

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